「サルバドールの朝」を観ました

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スペイン映画の「サルバドールの朝」を観ました。

1970年初頭のスペインが舞台。あらたの自身が、12歳の時と言うと、マイティジャックの最初の再放送に見入っていた中学1年の頃って事になる。(MJの再放送については、長らくなかったとWikiPediaにあるが、これについて、あらたのには異論があるが、今のところ確かめようがない。)

ベトナム戦争についてもそうだけど、フランコ独裁政権っていのも、こういう映画を観ない限り、今でもあまり知らないし、当時なんて知るよしもない。これを機会に、少しは勉強しようと思えただけでも、借りてきてよかったと思う1枚だった。

青春映画的な所もあったし、政治思想的な映画でもあったし、死刑制度を問題にする部分もあったが、少し散漫な感じもした。でも、できるだけ詳細に取材した実話の映画化だから、致し方ないか・・「実話を元にした映画」というのと、「実話の映画化」は違うものね。

労働運動の資金集めの為に、銀行強盗を繰り返し、銃撃戦で警官を一人射殺してしまう。正当防衛とも言える犯行現場の状況、警官も同じく武装している中での銃撃戦だから、これが今の日本なら、とは考えにくいけど、まず終身刑ぐらいで、死刑にはなりにくいだろう。

ともかくも、主人公は、独裁政権の管轄下で、死刑判決を受ける。死刑執行までの残された日々の中で、家族や友人、弁護士が必死で全世界の著名人・政治家・思想家にむけて、手紙を書きつづけて恩赦を図ったが、ついに叶わず死刑が執行されるという完全な実話である。

最後の30分ぐらいは、とてもリアルで、安定した画面運びだったし、テーマが定まってきたように見えた。

ともあれ、死刑の方法と、執行人の俳優、周りを取り巻く看守たちと、非常に重たい真実を突きつけるような映像だったので、あらためて単なる一歴史上の出来事としてさらっと鑑賞して流す事はできない、忘れがたい一本になった事は確か。

だからといって、直接この映画から、今の日本の死刑制度に絡めて書く気は毛頭ないけれど。時代背景も国もまったく違う。

だがひとつだけ、どんなに極悪人だったとしても、逮捕され、投獄されれば、ほぼ無抵抗。死刑判決が出たら、無抵抗のまま殺される。

あらたのは「無抵抗の者を殺す」と言う所が、どのような法治国家が法律的裏付けをしても、それを、素直に受け入れられない一人なのである。

「法治国家が法律的裏付けをする事に対する議論。」と、「どのような手法にしろ無抵抗の者の命を奪うのは許されてよいのかという議論。」は、まぜこぜでは死刑制度の議論はできないと思う。

映画の冒頭のクレジットでは、チェ・ゲバラの写真(というかイラスト?)も一枚出ていた。そういえば、チェ・ゲバラも尊敬する人の一人だけれど、書き忘れていたから、プロフィールのページに書きくわようと思った今宵のDVD一本だった。

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