バリアフリー映画~映画の可能性とか未来とか...

5月に公開される尾上菊之助主演の『THE CODE/暗号』(林 海象監督)。上映後、DVDにする際に無声映画の時代の活弁士のように、映画の情景をより迫力ある説明で、目の不自由な人にも映画を楽しんでもらおうという試み。

同じく、DVDには複数の字幕が入れられることから、耳の不自由な人のための擬音も含めた詳しい字幕版も同時に収録するらしい。

探偵事務所5 オフィシャルサイト

以前、ボランティアサイトの方で、中国のボランティア活動で「心目影院」の紹介をしたことがあるが(日本では心の映画館として紹介されている)、DVDのデータとして納められることは意義があるし、可能なら、今後すべての映画に納めてもらいたいと願うものだ。

北京週報 - 「心目影院」~視覚障害者に映画を語り聞かせる心の映画館

「心目影院」では、たとえば、ジュラシックパークを鑑賞するなら、まず上映前に恐竜の少し大きめのビニール製フィギュアを手で触ってもらい、それから上映開始。弁士が熱弁を振るうという、まさに鑑賞する側が、ボランティアを肌で感じる活動風景だが、残念ながら耳の不自由な人のためのスーパーを入れるなんて、費用がかかりすぎて、孤軍奮闘のボランティア団体には不向き。

また、最新の神経科学、脳科学では、頭に直接映像や音を送り込む研究もずいぶん進化してきているらしく、そちらの研究には莫大な費用が使われているから(軍事が絡むこともあって)やがては、それらの字幕や活弁が、また要らなくなる未来も来るかも知れない。

また、貧困と格差の解決がない以上は、心目影院のように、今ある資材と心づくしだけで構成される活動にこそ軍配が上がるのだろう。

お金をかけると言えば、映画やエンタテイメントに資本を投入することは、ゼネコンが偉い政治家先生に便宜を図ってもらいながら、つぎつぎと公共投資という名の自然破壊と格差を広げる、税金と言う名の搾取をするよりは、充分有意義な経済活動であると考える。

映画、演劇や観光、アウトドアスポーツ、カジノなどは、一定のガイドラインを設けていけば、現在あるインフラを、ちまちまと修繕しながら、かなり大きなお金を世界中で回すことが出来る。

電気代を中心とする光熱費以外で、初期投資における償却物件以外では、自然をいじったり壊したりするエネルギーは極小だとも言えるだろう。

巷では日本特有の型を持つ、政治と金の醜い膿が出てきつつあるが、それを考えると庶民の娯楽であり、知恵の結晶である映画は、まさに前世紀の大発明ですな。

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