阪神大震災を神戸で体験したあらたのは、むろん親の住む兵庫区が帰省先である。
いつも日帰りで墓参りをして帰るだけだったのが、今回は狭いながらも四畳半に雑魚寝をしての二日間の日程で、パジャマや入浴セットを携えて、14日に4、5号湾岸線を経由し帰省。15日深夜に自宅へと帰ってきた。
毎年、うだるような暑さの中、日陰のない山の斜面の墓所で、常々閉口気味に参加する、あらたのだが、今回の墓参りは、薄曇りで助かった。日照時間が平年より少なく農家にとっては大打撃、野菜が家計を圧迫する世の中ではあるが、カンカン照りはやはりきつい。。
さて、帰省での戦利品である。
以前に、MJ戦闘服の記事に寄せて、弟も特撮ヲタクであると書いているが、トップページにも紹介しているウルトラセブンの単品LDを一枚ずつ買いそろえていった物が、今回、あらたのの手になった。
私の手元に降りてきた理由だが、弟曰く、兄の私が当時ほとんど出資して購入していたらしいことと、弟は大家族でコレクションの置き場が手狭になってきたことと、LDプレーヤーの個体数が年々減ってきていることや、DVDへの圧縮をすませたことなどが主な要因だ。
それにしても、自分が買いそろえることにそれほど関与していたとはどうしても記憶にないが、まあいいじゃないか、円谷の不朽の名作がまたひとつ手元に並ぶのだから。
他にも、未来少年コナンのLDボックスと、LEXMARKのスキャナプリンタなど、結構、軽自動車の後部トランクスペースが一杯になるほどの戦利品の数々。入手経路は別だが、同じく15日には、ガンダムダブルオーのダブルオーライザーのプラモデルももらってきた。
帰る前にと、知り合いのプラモデラーの小林氏(H.N.)の家に立ち寄る。立ち話の最中、「子供さんに」と、頂いたガンプラは、ガンダム30周年を数える今年の感慨深いプレゼントとして記念になったが、話の中では、神戸市長田区に10月完成する、鉄人28号のモニュメントの話で盛り上がる。
お台場のガンダム同様、太陽の使者18mの巨体(どっちかというと初代鉄人なんですが。。)が、この秋には長田区にお目見えするわけだが、製作は岸和田の会社が行っているようで、泉州・岸和田と神戸の勝手な縁を夢想する、あらたのである。
帰省から帰ったその夜に、ポストには総務省から、地上デジタル波に関する調査の封書が届いていた。そぞろアナログテレビのスイッチをひねると、NHKでは「これからの日本」と題して、非核三原則と核装備・核武装についての、様々なセクションの人達が言論戦を一戦交えていた。
終戦から64年。誠に感慨深い。あらたのは、気がつけば「戦争を知らない子供たち」として、齢五十を数えるに至った。。。この年で、特に社会的に重要な地位でもなく、名声も何もない。貧乏なだけならまだしも、失職の身である。
多くのことを思い起こしながら、ダラダラと書いたこの記事では、いったい何が言いたいのかとお叱りの声が、どこかから聞こえてきそうだが、要は墓参りをして、戦争で多くの犠牲を強いられた先祖にも思いを巡らせながら、あらためてこれからの困難な時代を家族とともに乗り越えていく決意をした二日間だったのである。
戦争を知らず、戦争をどこか知らない土地での出来事として見聞きし、アニメや特撮の中で「実体験」してきた僕たちがもつ「実」は、「虚」であることも充分に踏まえつつ、しかし「虚」に終わらない想像力と説得力を持っていると信じる。
いつか、長田区に立つ「鉄人28号」や、お台場の「ガンダム」が戦争を封じ込めるバーチャルポケットとしてブラックホールよろしく、銃弾を兵器を核を「虚」の世界に永久に閉じこめてくれる日を信じている。
コメントする