参議院選挙の告示直前に、メキシコ湾原油流出事故の日本メディアの扱いを批判した記事を書いた。ついこの間のことだ。
あきらかに世界的に見ても国家間の均衡に影響を与え、文明社会ひいては人類の存続を脅かす、重大で象徴的な事故とあらたのは今も考えている。
執拗に資料を漁っていると、ニューヨークタイムズのサイトで以下のような特設記事を見つけた。
Gulf Oil Spill - Wildlife at Risk - Interactive Graphic - NYTimes.com
大きく6項目に分かれていて、見やすくまとめられ、現在も続くメキシコ湾の惨状を数値と映像で正確に伝えられているように感じる。
上記のリンクは、海洋での原油流出が、生態系に与える影響を冷静に伝えている必読のサイトといえようかとおもう。6項目の内、あらたのは訳あって、生態系に与える影響を解説したページにリンクを張った。「EFFECTS ON WILDLIFE」の項目である。
理由は簡単で、6項目のタグのうち中央に配置してあり、右端は、海底に設置された生のライブカメラ映像だったりするためで、動画を貼ってあるページへのリンクを嫌ったためだ。
このブログを書いている、現在の日本時間(13日22時27分)においても、ライブカメラのうち、'The Skandi'の'ROV Two'のカメラが、流出する原油を捉えている。このサイトを見つけてから、1週間が経つが、流出の勢いは少し弱ったようには見える。(「LIVE VIDEO OF THE LEAK」の項目)
実に、事故発生の4月20日から80日以上にわたって、ドクドクと切れ目無く、原油が海底4700ft(約1400m)の深海で打つ手も効果無く流れ続けている。海底には海軍の潜水艇なども出動しているが状況は改善しているとは思えない。行われているのは沿岸と海上での対症療法ばかりだ。
さて、生態系の記事の中で、英語ながら読んでいて「まだまだ自分は勉強が足りないな。。」と反省しきりだったのが、「水鳥が石油の海になぜ飛び込むか」と言うことに思いが至らなかった自分の浅はかさ。
ペリカンもその他の水鳥も、ほぼ同じように、上空から見た石油の流出地点は「波が穏やかで餌場と思いこみやすい場所になっているらしい。考えてみれば、人間以外の動物は色彩へのセンスを完全には持ち合わせていない。
「何でわざわざあんな所に飛び込むのだろう?」程度の考えで、それ以上掘り下げていなかった自分が恥ずかしかった。油にまみれた水鳥は、自身の体温調節機能や呼吸の機能を失い命を落とす。
さらには、左端の項目「WHERE OIL IS IN THE GULF」の中で、左端に、これまで流出した原油の総量を見積もったグラフがあり、政府見解としての最大見積り等が表示されている。MAXは、140.1ミリオンガロン。
ピンと来ないが、1億4千万ガロンで、リットルに換算すると、約6億1640万リットル。まだ記憶に新しいナホトカ号の事故流出量(6,240キロリットル - WikiPediaより)の、なんと98倍である。
実に大変な事故を起こしてしまったものだ。。。BP社の命運を左右する大事故であると同時に、人類への重要なサインだと思える。これからの石油争奪への動きが、水面下で活発になるであろうし、それが一見関連なさそうな事件として表に発現し、国家間の様々な動きを演出して行くに違いない。
大きな災い(大悪)の後には、素晴らしい夜明け(大善)がある。と言う意味の言葉を残したのは、日蓮だが、そうあって欲しいと願うあらたのである。
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