なんだか、ここのところ、あらたのが気にしている世界のゆゆしき問題が、忙しく目の前を通り過ぎてゆく・・・本当に大丈夫かなあ。今の世の中。
バービー人形で有名な、アメリカの玩具メーカーマテル社が、去る7月に、ビデオカメラを内蔵したバービー人形を販売開始した。
Video Girl - Home - Barbie.com
FBIは、このカメラ付きの人形が、児童ポルノの制作に利用される可能性があると警告したらしい。まあまあ!大げさだこと。以下のリンクは当初付け忘れていたWiredVisionの記事。(2010/12/15補足)
ビデオカメラ内蔵のバービー人形にFBIが警告 - WiredVision
ようするに、これまでにも、普通のバービー人形で誘われた児童が、性虐待などの被害に遭っている事実があるからだと言うことなのだが、それなら、何もバービーでなくたって、子供をだますような悪い奴らは、50ドル以上もするオモチャをわざわざ買ってまで使わないだろう。
ファービー、シンプソンズ、スポンジボブにセサミストリート、トランスフォーマーにブライスと、子供の気を引くオモチャならごまんとある。何もカメラが付いているからどうこうと言うことはあるまい。
ましてや、このバービー「Video Girl」のビデオ撮影解像度は、たったの320×240px(15フレーム/Sec)というから、端から犯罪目的で撮影の用途とするなら、こんなものは到底使い物にならない。詳しい資料はここかな(英語)。。。
Barbie Video Girl Doll Review - Chip Chick
日本のAmazon.co.jpでも、検索すると販売されていて、解像度1028×768とある。しかし、これはおそらく、Windows側のアプリケーションでの表示解像度で、VideoGirl本体の解像度ではなさそうだ。)
ところが、先のWired Visionの記事では、このバービー、Canonの7Dというカメラに匹敵する解像度と書いてある。どっちが本当なんだろう?かたやChip chickのレビュー記事では、実際に購入してのレポートだ。
なにやら、Wiredの記事を読んでいると、今回の警告はFBI内部向けの文書で、プレスに公開されたものではないらしい。手違いから、覚え書きのコピーがニュースソースに流れたと言うから、まるで何とかリークスみたいじゃない。以下もITmediaの記事で1日でニュアンスが違うものが出ている。(2010/12/15追記)
ビデオカメラ内蔵のバービー、悪用の可能性をFBIが警告 - ITmedia
「FBIはこの人形に関して真剣に捜査を開始したようだ。」と、Wiredの翻訳記事にはあるが、これが本気なら正気の沙汰ではないなとも思うし、ITmediaの記事だと、FBIの捜査官が現場での証拠資料収集の際に見落とさないようにするための内部資料であるとのコメントが真実のようだが、内部文書も織り込み済みの「手違い」としてポーズを取って流したのではと勘ぐりたくもなる。
ともかく、世間が騒々しくなってきた。東京では、東京アニメフェアで、遂に出版業界が、無理解な東京都知事に対して、怒りの烽火を上げたようだ。
東京アニメフェア:コミック10社会が参加拒否の緊急声明 - 毎日jp(毎日新聞)
あらたのは、以前から、児童ポルノ単純所持禁止に対して、2次元、3次元を含めるのは好ましくないと書き続けてきたが、今もその意見に変わりはない。
子供を守るのは、大人社会全体の責任であり、未来のために大人が、すべての知恵と総力を上げて取り組むべきものである。
天賦自然の人間のデッサンは、ダビンチだってやっている。子供のうちから人間の身体への興味というのは自ずとあるものだ。絵に描きたいという芸術的精神を、法律で縛るなどもってのほかだと思う。
総力を上げて取り組むべきは、性や愛情について、特に男性が、この競争社会において、満足に結婚も出来ず、偏らざるを得ない現代社会の「負け組・勝ち組理念」の打破であると確信している。
(2010/12/15日追記)
去る、11月26日には、テレビでもニュースで流れていたが、大阪府は全国初として、来年2011年2月には、水着や下着姿の児童についても「児童の虐待の記録」として、条例の制定を行うようだ。これについても、2次元3次元創作物についての規定はやはり曖昧で、おそらく規制の方向に向かうだろうと思われる。
児童ポルノ、水着写真も規制...大阪府条例改正へ - YOMIURI ONLINE
暴走族が走り回って、社会に迷惑を及ぼし、最終的には法規が締め付けとなって、悪循環が形成される。同じような経過をたどっているように見えるが、児童ポルノについては、暴走族と同じ扱いは出来ないと思う。
児童ポルノ規制派はインターネット上を走り回るデータの驚異を強調し、アニメキャラ、CGキャラまでそこにない交ぜに畳み込もうとしている。先の暴走族では、その問題行動のうち「暴力性」の部分をある程度正確に補足しようとしているが、本件はどうだろう?
あらたのは従来から書き続けているとおり、問題は男性の暴力性にあるのであって、絵画に性に対する暴力性が潜むかどうかという視点は、完全に欠落したまま、法律の枠組みを作ろうとしている所に危機感を感じているのだけれど。
水着姿の小学生中学生が仲間と記念写真を撮るというようなレベル。ウォーターボーイズのような映画。EVA綾波が惜しみなく見せる美しい線も「児童ポルノ」という、それこそ乱暴な言葉で、大人の乱暴な判断で、美しいものにまで汚れたレッテルを貼るのなら、それは人間の精神への冒涜だとここに書き残しておこう。
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